音を食べた夜
a0035294_9145319.jpgぽろんと、
音が零れた。
丸い音。
ぽろろん、
ぽろろん、
音が連なる。
音はどんどん増えてゆき、
もうそれは洪水のように、
渦を巻き、
空気の中に広がっていった。

私はそれを、
夢中で食べた。
溢れかえる音を口に入れ、
咀嚼し、
呑み込んだ。

忙しい。
彼女はお喋りだ。

あぁ どうすれば すべてを のみこめるのだろう

こころの中が、
いっぱいになる。
細胞という細胞が、
もうこれ以上、
何も受け容れられなくなる。
けれど、
彼女は語り続ける。

捲し立て、
笑い、
泣き、
囁く。

洪水の中、
溺れそうになっていたら、
こころが、
風を感じた。
彼女のふるさとの景色。
緑の風。
あたたかくて、
やわらかい。
いつか、
どこかで、
触れた温もり。

ここにいる。
私は今、
ここにいる。
果てしなく大きな時間と空間の中で、
ちっぽけな椅子に座って、
それでも私はここにいる。

溢れる涙を拭う気さえ起こらなかった。
ただ、
促されるまま、
彼女の魂が目の前に投げ出されるのを、
呑み込んでいれば良かった。

透明な、
丸い音。
高音もヒステリックに響かない、
磨かれた音。
彼女の魂が、
綴る音。

彼女のお喋りな魂に、
どうしようもなく埋もれた夜だった。








     +
      先日、上原ひろみさんのライブに行ってきました。
      とても素敵でした。

      上原ひろみさんのホームページ
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by shining_raindrops | 2005-12-06 09:30 | 日々の風景










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雨粒通信
ごぶさたしております。

'13/01/15


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